のらどこ|長野県産の無農薬野菜を気軽に買える場所へ

のらどこ|長野県産の無農薬野菜を気軽に買える場所へ

「最近、移動式八百屋ができたらしい。」
少し前に夫から手渡された小さなチラシには、松本・安曇野エリアで収穫された無農薬野菜と、パンやお菓子、食にまつわる本などを車に乗せて、移動販売をしているということが書いてあった。

八百屋の名前は、のらどこ。松本市四賀地区在住のオーナー・織田倉さんが、「野良仕事と台所をつなぐハブでありたい」という思いを込めて付けた。

自然の力をかりておいしく元気な暮らしをつくる

「のらどこは『自然の力をかりておいしくて元気な暮らしをつくる』ことをコンセプトに活動しています。
取り扱っているのは、主に松本・安曇野近郊の生産者さんが作った無農薬の農産物や、添加物を使わないお菓子やパン、それから食にまつわる書籍です。」

野菜や食品と一緒に、本も取り扱っているのがユニークだが、そこには織田倉さんのこれまでのキャリアが影響している。

「実家が米農家だったことや、大学時代にWoofを経験したこともあり、元々食への関心はあった方だと思います。
本も好きだったので、当時はメディアを通じて食に関わりたいと考え、大学卒業後、料理や飲食業界の専門誌を発行する出版社に勤めました。
食にまつわる本はたくさん読んできましたが、中でもたなかれいこさんの著作には、とても影響を受けましたね。」

地元産の無農薬野菜を気軽に買える場所を

2022年に入ってからのらどこの活動を本格的に始め、徐々にお客さんが増えてきたという。
地元密着型で販売をしたいと考え、ときには思いがけない場所ーアートセンターやスタジオでも出店している。

「松本エリアには無農薬で野菜を作っておられる農家さんも多く、季節ごとにさまざまな種類の野菜が出荷されます。
そんなフレッシュな地元産の無農薬野菜を、近所の方がふらっと来て買っていけるような場を提供したい。移動販売の形態をとっているのも、その思いがあるからです。

普通ここで野菜を売っているとは思わないような意外な場所で野菜を売ることで、新しいお客さんとの出会いもありますし、その積み重ねで、徐々にのらどこの名前を知っていただく機会が増えてきているように思います。
だからこそ、移動販売の出店場所を提供してくださる事業者さんにはとても感謝していますし、お互いに還元し合える関係性でありたいです。」

農家さんのチャレンジや創意工夫を伝える

お客さんとのコミュニケーションと共に、仕入先とのコミュニケーションも大切にする。
この取材の日は、仕入先の一つである四賀梶原農園に一緒にお邪魔させていただいた。

梶原さんは今、極力畑を耕さず、ビニールマルチの使用も抑える方法への転換に挑戦している。
その一つの手法が、ビニールマルチのかわりに、堆肥や緑肥を重ねる「堆肥マルチ」だ。
梶原さん曰く、堆肥マルチは日本ではあまり見かけないが、欧米では比較的よくある手法だそうだ。
ただ、言うほど容易いものではない。昨年の失敗(草マルチで地温が上がらなかった)を踏まえた上で、今年は堆肥マルチを試しているという。

織田倉さん「毎年、同じ野菜をつくっていても、それぞれの農家さんが見えないところで創意工夫をされています。
先人の知恵やご自身の経験をもとに、常に流れ動いている自然を読み、それに抗うことなく付き合っていこうという農家さんの姿勢には、いつも大きな刺激を頂きます。
販売者の立場として、野菜の味や調理方法はもちろんのこと、農家さんのチャレンジや創意工夫も出来るだけお客さんに伝えていけたらと思っています。」

今後について

最近、乾燥野菜の量り売りを始めた。流通に乗らない規格外の野菜をスライスして乾燥させたもので、仕入先の一つである、たべくら農園とのコラボレーションで生まれた。
乾燥野菜の他、ミントティーと番茶をブレンドした「ミント番茶」も商品として販売開始。
今後、商品開発にも力を入れていきたいという。

「乾燥野菜は、規格外の野菜を無駄なく頂くにはと考えて試行錯誤して作りました。
味も良いし、忙しいときにパッと使えて便利ということで、首都圏からいらっしゃる旅行者の方にも好評です。
ゆくゆくは、自家製のお惣菜の販売も構想していて、実現できるように少しずつ前進していきたいなと思っています。」

のらどこ
https://note.com/noradoko/
出店スケジュールはInstagramをチェック
https://www.instagram.com/noradoko808/

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